協会のご案内

会長挨拶

 梅雨の時期の間隙を縫って6月22日(土)、西脇京都府知事、松井京都市長をはじめ各関係団体の代表の方々のご臨席のもと、会員272名(委任状12,250名)の参加を得て、令和6年度公益社団法人京都府看護協会定時総会を開催しました。

 この総会をもって長谷川第一副会長をはじめ5名の役員が退任されました。旧役員の皆さまには、長期化するコロナ禍の中で、事業の停止、縮小や変更を余儀なくされる中にあって、京都府看護協会の運営と発展に多大なるご尽力をいただきましたことに深い敬意と感謝を申し上げます。

 

 さて、今年度の提出議案5つ及び報告事項7つのすべてが承認されました。

 報告6の令和6年度事業計画では、2025年および2040年を見越しつつ、京都府看護協会の令和6年度重点目標は①全世代の健康を支える看護機能の強化、②働き続けられる職場環境づくり、③看護職としての裁量発揮とキャリア支援、④健康危機管理体制の充実の推進と設定し取り組むことをご報告いたしました。

 超少子高齢化が進展する社会において、一層の健康長寿と共にあらゆる世代の健康増進・疾病予防・健康の段階に応じた治療を受け、その後も安心してシームレスに在宅療養が継続できる環境整備を早急に進める必要があります。看護職には病院・施設・在宅において質の高い看護の提供や他職種連携による地域ネットワークの推進など、人々が住み慣れた地域で自分らしく生活できるよう支援することが求められています。

 また、超高齢化が進展し看護を必要とする人々は増え続ける中で、少子化などによる看護職不足は今後益々深刻化すると考えられ、看護職の確保・定着の取り組みは今以上に必要であり、さらに労働環境の整備も並行して取り組むことが重要です。

 そして、近年、経験してきた自然災害や感染症まん延時の健康危機管理の強化等新たな課題への対応が求められています。これら多岐にわたる課題に対応するためにも、看護職が生涯にわたり主体的に自身の能力開発を図りつつ、その専門性を発揮し社会の期待に応えていく必要があります。

 会員の皆さまからは、京都府看護協会の取組、日本看護協会、京都府・国への要望などに多くのご意見を頂きました。

 

 その一部をご紹介します。

 

 1.看護師確保の観点からは、①看護師、看護補助者確保の困難に伴い、派遣業者に頼らざるを得ない葛藤とナースセンターへのさらなる期待、②18歳人口が年々減少する状況にあって、京都府内の看護学生学費の無償化・給付型奨学金の増額、③看護学校への補助金の増額(定員割れ、新カリキュラム対応教育強化等への対応)の要請、2.就業サポートの観点からは、①新人看護職員を定数外で正職員として採用し1年間の臨床研修制度の義務化、3.処遇改善の観点からは、①夜勤体制のあり方・夜勤手当の大幅増額の法制化、②賃金の底上げをする仕組み(例えば最低賃金の設定)、4.看護制度の観点からは、准看護養成の停止、5.働きやすい職場環境の文化の醸成という観点からは、ハラスメントとともとれる先輩看護師の指導が少なからず起こっており、看護業界においては社会の一般的認識とのズレがあると言わざるを得ず、今後の対策は急務であるとの意見も頂きました。これらのご意見は、重点目標に織り込みつつ好機を逃さず、日本看護協会、京都市・京都府、さらに国政にも届くよう要望して参ります。

 

 これまで以上に多くのご意見や要望を頂き「対話」が出来たことに感謝しております。

 対話は特定の目的や目標をもって行われるものであり、京都の看護界のより良き未来を見据えて、それぞれの理解とコミュニケーションが深まり信頼を高める機会となりました。

 「病院完結型」から「地域完結型」への地域包括ケアシステムのさらなる深化と進展が必要な時代にあって看護職は命と生活を両面から一体的に護る専門家として、京都府民が生活の質を維持し、尊厳を保ってその人らしく最期まで生活していただけるよう職能団体として看護職の量と質へのアプローチと看護職にとって働き続けやすい職場環境が実現するよう皆さまと共に進めて参りたいと思います。今後とも協会事業・運営に対して、引き続き皆さまからの忌憚のないご意見をお寄せ下さいますようお願いいたします。

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